クリスチャン新聞が要約を掲載した米キリスト教雑誌の長文記事を担当したケン・スミス氏について、過去に児童ポルノ問題に深く関与した人物であると米クリスチャン・ポスト(CP)が報じ、波紋が広がっている。
CPの報道によると、ケン・スミス氏が米国で児童ポルノを配信し拡散させた会社の創設者で、米国の児童ポルノ問題に深く関与していることを指摘しており、以後この記者の会社が他の会社と合併し、同記者が上級管理職に昇格した後も、児童らに対し大人向けのポルノ画像を配布し続けていたことが分かり、衝撃を与えている。
ケン・スミス氏が設立し管理職として勤務していた同社は、児童ポルノ拡散の疑いで米連邦取引委員会から300万ドル(約2億3400万円)の罰金を言い渡されたことが、米ワシントンポスト紙からも報道されている。同社の売上高の80パーセントはポルノ事業から出ているなど、非常に深刻な内容である。
米雑誌に書いたケン・スミス氏の長文にわたるねつ造された「再臨主論争」記事に関して、同記事のコメント欄に複数の同雑誌読者からスミス氏の背景について暴露したり、疑問を提起する発言がなされたが、その度にコメントが同雑誌によって削除されてきた。そのため、CPがこれら同雑誌読者の疑問に関する内容をオンラインサイト上で掲載するに至った。
スミス氏に関するオンライン情報を見ると、ZangoのCTO(Chief Technology Officer・最高技術責任者)を務めていたことが明らかになった。このソフトウェア会社は、アドウェアをインストールするときにユーザーが防ぐことのできないポップアップウィンドウを作成できるシステムを所有していた。
Zangoの前身である180ソリューションズという会社は、児童ポルノを流布することを並行して行なってきたとケン・スミス氏の長文記事を読んだ一部の読者らは主張している。180ソリューションのコンプライアンスオフィサーであったケン・マグワイア氏は、2005年9月に技術関連の新聞記者であったアレックス・エククルベリー氏に書いたメールで「180ソリューション会社で児童ポルノが出るソフトウェアを流布した」と自述していた。マグワイア氏はこのメールで、「このようなことは会社創立後初めてのこと」としながら「児童ポルノは違法であり、容認できないのは言うまでもない」としながらも興奮した様相で伝えていた。後に同社の収益の80パーセントがポルノ事業で出されたものであったことが明らかになった。マグワイア氏のメールが到着して数か月後、180ソリューションズは、Hotbar社と合併し、スミス氏は上級技術職に役職が変更された。その後もポルノ関連の会社の活動は止まらなかった。
合併した数か月後、スミス氏の会社は大人のポルノ画像を児童に配布する活動に乗り出した。 2006年7月のワシントンポストの報道によると、ワーナーブラザーズスタジオは、Zango社との取引関係を断絶すると明らかにし、「Zangoは、アドウェア設置を通して、ワーナーブラザーズスタジオのウェブサイトに訪問する児童らに、ポルノを促進するプログラムをインストールし、無料ゲームを提供するように操作していた」と明らかにした。
ワシントンポストはZangoのウェブサイトのユーザーが「無料ゲームをする」というリンクをクリックすると、自動的に成人向けコンテンツを受信するように許可する契約書に約定しなければならないプログラムがポップアップするようになっていると指摘した。同件が生じた後、他の市民団体が連邦取引委員会に告発し、調査を経た結果、Zangoは300万ドルの罰金を支払うことになった。
技術専門ニュースのエククルベリー記者は数年間Zango関連記事を扱ってきたが、2008年2月にZangoのビジネスの収益のほとんどがポルノ広告から来ているという事実を発見するに至る。エククルベリー記者は「Zango社は本当に問題があった。私たちの調査によると、ビジネスの80パーセントがポルノ事業で成り立っていたが、Zangoの年間収益は、約7800万ドルほどであった」と明らかにした。
スミス氏は連邦取引委員会の処分後、自身の役職から退き、実の兄弟であるZangoの元CCEOは、2009年に個人破産申請を行った。その後同社はただちに銀行に差し押さえられた。
スミス氏は自身のブログに「2003年から2005年まで、私たちは提携してはならない人々と協働した。私たちは皆、彼らに依存しており、適切な管理と監視なしでソフトウェアをインストールして促進するためにこれを行った」と語っている。しかし、180ソリューションとZangoの児童ポルノの拡散およびポルノ広告に関連しては、何のコメントもしていない。スミス氏の個人的なブログのどの投稿にも、これに対する言及は見られない。 2007年にスミス氏はZango技術部90人の従業員が非常に良い仕事をしていると賞賛する記事を書いていた。
さらにCPは、スミス氏の背景やスミス氏のクリスチャン・ジャーナリストとしての適性を問うためのインタビューを行うことを提案し、スミス氏は自身と共同で記事を執筆しているテッド・オルソン氏と共にCPのインタビューに応じると約束したものの、約束の時間の2時間前に突然インタビューをキャンセルするに至った。これに対してCPが2度メールで問い尋ねたが、スミス氏からの答えはないままであるという。