【CJC=東京】スイス・アルプスの中腹にあるマリア・ハイムズーフンク(聖母マリアの御訪問)教会、7月31日午前7時30分には麓のフィーシュ村とフィーシャータール村から集まった信徒約100人を前に、トニ・ベンガー司祭が「氷河は氷、氷は水、水は命です」と、そこより上方にある氷河の融解を止めてくれるよう神に祈った。
米誌ナショナル・ジオグラフィックのニュースが注目したのは、この祈りが、過去350年の間、氷河を押し戻してくれるよう神に祈ってきた内容を逆転させたから。地球温暖化の影響がアルプス山脈にはっきりと表れるようになった今、バチカンもこの変更を承認しているという。
両村の上方にあるアルプス最大のアレッチ氷河とフィーシャー氷河の間にあるメィエレンゼー湖に氷河の氷が落ちると、湖の水があふれ、村が水浸しになり、建物が壊れ、死者が出た。村民は、地元の修道会イエズス会の協力を得て、1647年から毎年7月31日に巡礼を行うことを決めたもの。同日は、イエズス会の創立者聖イグナチオ・デ・ロヨラを記念する祝日にあたる。