1日夕方、野田総理は駐日イスラム諸国大使らを総理大臣官邸に招待し、イスラム暦断食月(ラマダーン)中に行われる日没後の食事会である「イフタール」を主催した。1日外務省が発表した。
イフタールを主催することで、日本とイスラム世界との相互理解を増進することが目的とされており、イフタールには在京イスラム外交団から48の国・地域の代表が参加を呼び掛けられ、各々の郷土料理が提供された。今年のラマダーンは今月1日から29日までとなっており、日没後初の食事であるイフタールは、通常よりも豪華な食事が供されている。
野田総理は、イスラム教が異なる民族と国で受け入れられてきた理由のひとつとして、「『多様性への寛容』の精神があり、世界の平和と安定の実現にとって、異なる文明間の相互理解の増進と『多様性への寛容』はますます重要となっている」ことを挙げ、イフタールを通して「日本でイスラムの伝統の一端に触れる貴重な機会であり、豊かに育まれてきた我が国とイスラム世界との相互理解の一助となることを期待する」と述べた。
一方駐日イスラム諸国大使を代表して,シド・アリ・ケトランジ駐日アルジェリア大使からは、「他の文化及び文明に対する寛容と尊重の精神はイスラムの教えの根本であるとともに,日本国民・社会を特徴づけるものでもある、日本とイスラム世界は双方のみならず、世界全体の利益のために密接に協力することができると確信する」と挨拶を行い、イスラム教が日本社会において多様性への寛容と他の文化・文明を尊重する精神が根本にあることが伝えられた。