一年半近くの紛争状態が続いているシリアでは、シリア問題合同特使のアナン前国連事務総長が辞意表明するなど内戦状態の先行きが不透明な状態が続いている。東方正教会のアンティオキア総主教のイグナティオス4世は、シリア全国民に対し「シリア国内の平和と安定した社会を築き上げるために共に働いていかなければならない」と呼び掛けた。
7月31日、世界教会協議会(WCC)が発表したところによると、イグナティオス4世は、書簡を通して「数え切れないキリスト教徒とイスラム教徒の暴力による犠牲者が生じています。病院は負傷者で満員となっており、痛みは止むことなく生じています。シリア国民は、いかなる宗教的背景の者であれ、この国で尊厳と品位をもって生きる権利があります」と伝えた。
WCC総幹事代行のジョージ・レモポウロス氏は、イグナティオス4世の呼びかけに応じ、「このような危機的な状況下にあって、私達はシリアの諸教会と共に平和のために祈る必要があります。私達の声はイグナティオス4世の呼び掛けと共にあります。国連および国際共同体がシリア国民が正義を追求する支援をして行く必要があります」と述べている。
米政府はシリアに対し追加人道支援策としてシリア国民への食糧・医療物資支援提供を目指しており、各国政府にも追加支援を呼び掛けている。