教育相助言役のアラン・ジュド氏は英テレグラフ紙に先週、福音主義キリスト教信徒が、福音主義キリスト教の過激な価値観を学校で教えない限り、フリースクールの設立を許可するべきであると伝えていた。
ジュド氏は、「問題は、フリースクールというものが、福音主義キリスト教徒、イスラム教全体主義者、あるいはユダヤ教選民思想を持つ信者によって設立されるとき、過激な価値観が教えられてしまうということです。宗教的に中立であるべきとは言わなくとも、これらの宗教的背景をもつ人々によるフリースクールの設立許可は慎重に審査されるべきです。納税者はこれらの宗教を宣教するために納税しているわけではありません。また子どもたちは、ファンダメンタルな狭い価値観の枠組みに捉われることなく広く社会活動に参加できるようにするべきです。創造論にしても、宇宙は進化しているのではなく、ひとつの神性なる存在によって私達を中心に創造されたなどということは、科学の授業の一環では教えられるべきではありません」と述べた。
これに対し、英福音同盟代表のスティーブ・クリフォード氏は英テレグラフ紙に対し、書簡を送りジュド氏の見解に対して遺憾の意を表明した。クリフォード氏は、「英国には200万人もの福音主義キリスト教徒が存在しており、世界中の教会でもっとも急速に成長しています。真剣に信仰の道を歩んでいることが、過激派と言われることにつながるべきではありません。英政府の宗教理解が欠けていることが懸念されます。そしてキリスト者が信仰をより大切に考えるとき、キリスト者を取りまく社会とも積極的に関わっていこうとします。福音主義キリスト者は貧困撲滅のために熱心に取り組んでおり、不正に立ち向かい、社会的弱者のケアに努めています。福音主義キリスト者が学校を運営することを規制することは、平等権の問題にとどまらず、社会で福音主義キリスト者がより良く働く場を狭めることにもなります」と述べた。
英国でも創造論と進化論を並立して公立学校で教えることは議論となっており、「一つの科目で進化論を教え、別の科目で創造論を教えることは結果的に混乱を招くことになる」との懸念が生じている。一方で、創造論者は「宇宙と地球の起源について、純粋に科学的な議論ができるようになるべきであり、そのために進化論と並行して創造論も教えられるべきである」と主張している。