日本フリーメソジスト教団では、今年7月8日を伝道献身者奨励日に定めており、同教団に属する各地の教会では同日の礼拝で伝道のために自分の身を献げる「伝道献身者」が起こされるよう、祈りや勧めのメッセージが語られた。
同教団東住吉キリスト教会の小暮智久牧師によると、現在日本フリーメソジスト教団には26の教会と3つの伝道所があり、専任の牧師か伝道師のいない所は4か所、牧師が兼任している教会は7か所ある。また、教会員だけでなく、高齢の牧師が増え世代交代の時を迎えつつあるが、伝道献身者となり神学校で学びと訓練を受けて新たに牧師になる人々が非常に少ないのが最近の傾向だ。しかし、伝道献身者を志し、祈り備えている教会員が、同教団に数名いるという。
小暮牧師は同日の主日礼拝の説教で、「将来の牧師が、今から育てられる必要があります。私たちは次の時代に、どんな牧師を願い、期待するのでしょうか。そのために、どんな学びや訓練を期待するのでしょうか。それは決して他人ごとではなく、教会が真剣に考え、祈り、取り組んでいく必要のある、教会の責任ではないでしょうか。」と述べ、ペテロの第1の手紙5章1節から7節を元に「神様の力強い御手のもとで、大牧者キリストの守りと養いの中で、私たちの生活が、この教会が、これからも導かれますように。大牧者キリストに養われつづける牧師となる伝道献身者が、各教会から起こされ、大牧者キリストが栄光をお受けになられますように」と語った。
同教団神戸ひよどり台教会の大嶋博道牧師は「神学校及び神学生のために、そして神戸ひよどり台教会から次世代を担う献身者が起こされる事を願って祈り、みことばに聴きましょう。そして何よりも皆さんお一人お一人が『伝道者であること』を覚えて頂きたい」と語った。大嶋牧師は出エジプト記3章1節から12節や、イザヤ、エレミヤやモーセなど聖書の「召命物語」から、神の不思議な導き、神の不思議や奇跡を見ること、神の声を聴くこと、神の選びの目的が明らかにされること、そして神の派遣に伴う保証が与えられることなどの共通点があるとし、「すべてのクリスチャンは神の『今、行きなさい』と言う命令に従う存在である、と言う事が第1の事」であると述べた。
大嶋牧師はまた、神の「今、行きなさい(派遣)」という命令には「わたしはあなたと共にいる」という保証(約束)が伴っており、神の命令に躊躇したり、恐れたり、拒んだりする必要はないとし、私たちは「神の宣教(Missio Dei)」に参与する存在であり、宣教の主体は神ご自身だと語った。「心から謙虚にされて、自分の無力を認める者を神は用いられるのです。大嶋牧師は信仰生活において日々『今、行きなさい』という神のミッションを聴き、応答し続けたいものです。」と伝道への献身を呼びかけた。