【CJC=東京】ブラジルがこのほど行った国勢調査で、カトリック信徒が減少する一方、福音派が増加していることが明らかになった。ALC通信が報じた。
これを受けて、ポルトアレグレのラジオ局「ガウチャ」が放送した座談会で、ルーテル派のワルテル・アルトマン牧師が調査結果に懸念を示した。同氏は世界教会協議会(WCC)の中央委員会議長を務めている。
国勢調査は「地勢研究所(IBGE)」が行った。それによると、福音派が2000年の15・4%から2010年には22・2に増加した。
ただ、福音派と自認している人の60%はペンテコステ派だと考えており、「福音伝道者」とする人は18・5%、21・8%(920万人)は「決まっていない」と答えている。この分類を研究所自身が正確な分類ではないとしてろり、福音派にはルーテル派、メソジスト、長老派、狭義の福音派の他プロテスタント諸派も含まれているという。
アルトマン牧師は、この結果だけでは、ブラジルのルーテル派が信徒を増やしたのか減らしたのかが、判らないと言う。
カトリック教会のイリネウ・ラブスケ司祭は、2010年の調査結果は教会にとって予想外のものでは無かった、と言う。カトリックは最初の国勢調査が行われた1872年には唯一の教派だったが、それ以後も信徒数減少は記録されてきた、と指摘している。
「アセンブリー・オブ・ゴッド」のエリエゼル・モライス牧師は、同派が成長した原因はその簡素さにある、と語った。「わたしたちは、宗教改革から継承した、救いの恩寵、信仰、聖書のみを伝えている」と語った。「聖職者が支配する礼典はなく、働きは簡素に、ブラジル人の現実に関わり、それを聖書を忠実に読むことによって行っている」と言う。
アルトマン牧師は、ブラジルが極めて宗教的な国であり続けるだろうが、調査に示された結果は、世界の他の場所でも起こっていることではないか、と指摘した。