日本のキリシタン弾圧の象徴ともいえる「踏み絵」の展示会が24日から米ワシントンのスミソニアン博物館アーサー・M・サックラー・ギャラリーで始まる。展示されるのは、東京国立博物館所蔵の6点で、展示会は9月16日まで続く。同館によれば、踏み絵の一般公開は米国で初めて。時事通信社が20日伝えた。
同社の報道によれば、16〜17世紀の大航海時代のポルトガルをテーマにした美術展の目玉の1つとして、今回、踏み絵が公開されるようになった。日本のほか、インド、アフリカ、中国、ブラジルなど大航海時代にポルトガルの影響を受けた各国の史料が展示される。
踏み絵は1628年(寛永5年)から始まり、1857年(安政4年)まで200年以上にわたって「隠れキリシタン」を探し出すために用いられてきた。木版や銅、真ちゅうなどの金属版で出来た踏み絵は、廃止された後、廃棄されたり再利用されたため現存するものは少ない。
スミソニアン博物館は現在18の博物館、美術館、国立動物園を有する世界最大の博物館群。所蔵物は約1億3650万点にもおよび、大半の施設が首都ワシントンに位置している。また、会場となるアーサー・M・サックラー・ギャラリーは、古代アジア・中東諸国の作品を中心に展示し、特にインドの彫刻、中国の壷や図画などが多い。