―具体的に現場で起こっていること―
2. 神々の偶像礼拝のブレーキによって現場で起きていること
① 論争とトラブル
キリスト信者が、福音を伝えようと思って語り始めるとトラブルが起こります。トラブルが起きる仕組みになっているからです。
理由は、キリスト教が唯一の絶対者、天地万物の創造主を「神」と訳したことに原因があると思うのです。神道の神と、キリスト教の神との区別がつきませんから、キリスト信者は、区別をつけようと説明します。そうすると、神道の神を否定することになるからです。
論争
「キリスト信者」… 私達の神は、皆様の神と違って、唯一なんです。
「一般の人」…いや、神は唯一ではなく、いっぱいあります。
「キリスト信者」…唯一の神が本当の神で、皆さんが拝んでいるのは偶像です。
「一般の人」…いや、偶像じゃない。宇宙は神が姿をあらわしたもので、何でも神の部分なのだから、神の霊が宿っていて、礼拝の対象となる。偶像としか見えない人々が気の毒ですよ。
こうして論争は感情的な対立を生み、トラブルになってしまう。
神は愛です。
「キリスト信者」…神は愛です。
「一般の人」 …神が愛なら、なぜこんなに世の中もめるのですか?悪人が栄えたり、真面目な人が苦しんでるじゃありませんか。神が愛なんて、詭弁ですよ。
「キリスト信者」…神は愛ですよ。
「新興宗教の人」…神は愛です。私達の教祖は愛の人です。…と新興宗教は大もうけしているのもあります。
大切なことに気づきたいのです。人は、自分の信じているもの、大切に思っているものを否定されたり、けなされたりすると、反発をするか、心を閉じて自己防衛にまわるかします。そのために、キリスト教は拒絶されてしまい、内容は伝わりません。
この方法を、キリスト教は100年以上繰り返してきましたが、信者は総人口の1%以下。最近は、汎神論の神々が復興して元気で面白いから人々が集まっています。キリスト教はジリ貧です。キリスト教の神は形はなく、人々は少なく、元気がありません。魅力が感じられません。
② 神社本庁の反応
森元首相が「日本は神の国です」と発言して、物議をかもしたことがありました。この発言に対して、神社本庁はこの発言を弁護するコメントを発表しています。
「明治以前、日本では、神道の『神』、仏教の『仏』、キリスト教では『デウス』は区別されていたが、プロテスタントがGodを神と訳したために、怪しくなってきた。カトリックは『天主』を使っていたが、プロテスタントに譲歩して、神にした結果、話がかみ合わなくなってきた。そして誤解に拍車がかかった。」(2000年7月3日 朝日新聞夕刊)
その他にもキリスト教がGodを神に訳したのは誤訳であったという本が何冊か出版されています。
③ このことについてのキリスト教会内の反応
聖書学者…神でいいのだ。
聖書では、旧約の「エロヒーム」も新約の「セオス」も唯一の絶対者にだけ使っているのでなく、偶像を呼ぶ時にも用いているので、日本語に訳したら神(共通語)でいいのだ…と。
一部の宣教師…「キリスト教は数が少ないのに、その上分裂を起こすようなことはしないで欲しい」
ある牧師…日本語辞書の神の頁の一番下のほうに…『キリスト教では、唯一の絶対者を言う』と書かれたので、キリスト教の伝道は成功したと思っている。
最近起こっていること
(1)熊野古道が世界遺産に登録されました。その為にテレビ(民放ではなくNHK)で毎日のようにその様子が報道されました。その中に、近くの神社やお寺の祭りが紹介されて、神々が活発に踊り、おそばや甘酒などが振舞われてにぎわっています。
(2)いつの間にか昔の日本になったなぁ…という感じです。こうした報道は、NHKにより意図的に行われていると思われます。
(3)キリスト教会内では
イ)キリスト教の神は見えないし、建物は貧弱だし、信者は元気がなく座っていて魅力を感じさせるものがありません。
ロ) だから若者が集まらなくなりました。
★「神々」対「神」では「神々」の方が面白い。だからキリスト教の神に人々はよってきません。
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堀越暢治(ほりこし・のぶじ)
宇都宮大学農業土木科卒業。日本基督神学校卒業。学校法人東京キリスト教学園名誉理事。学校法人グレイス学園めぐみの園理事長。単立・創愛キリスト教会主任牧師。いのちありがとうの会理事長。著書に「人体の不思議発見」「大自然の不思議発見」(いのちありがとうの会)など多数。
■ 外部リンク:いのちありがとうの会ホームページ