【CJC=東京】ロシア正教会モスクワ総主教座の対外教会部門責任者ヒラリオン府主教が、6月19日から22日まで北京を訪問した。府主教は、現状のさまざまな制約はあるものの、正教が中国で盛んになることを期待している、と語った。ENIニュースが報じた。
今回の訪問は、「中国における正教会の地位に関するさまざまな問題」を含む「宗教団体の近況」を協議する狙い。訪問団には仏教僧も加わっている一方、中国側は政府当局者のほか、カトリック、イスラム教、仏教関係者も参加していた。
ヒラリオン府主教は19日、ロシア大使館内にある大聖堂で、聖体礼儀を行った。北京在住の各国正教会信徒のためのもの。府主教は「正教信仰がロシアと中国で盛んになるように」と祈った。
府主教は20日、北京のカトリック神学校を訪問した際、「中国の宗教の中に正当な地位を保つために」、ロシア正教会の「娘」教会として、中国の自治正教会への期待を語った。ただインターファクス通信は、府主教が中国訪問直前に、「自治正教会の地位正常化への対話はなかなか困難」だと認めたと報じている。
現在、中国では仏教、カトリック、イスラム教、プロテスタント、道教の5宗教だけが認可されており、正教会は外されている。
ENIニュースによると、香港ではモスクワ総主教座に属する正教会信徒たちが「伝道団」設立300周年を祝っている。同伝道団は、ロシアのピョートル大帝の要求に応じて清朝の康熙帝が北京に設置するよう布告したもの、という。
香港のディオニシ・ポズニャエフ司祭は22日、ENIニュースに、「義和団の乱」による中国人正教徒の犠牲者を憶える祈祷会を24日に行うことにした、と語った。同司祭は、中国自治正教会の復活に努力しており、香港の正教会共同体の重要性を強調している。