【CJC=東京】大統領選挙を控え、米国ではバラク・オバマ大統領の信仰が政治問題化しそうな情勢になってきた。このほど「ギャラップ」が6月22日発表した調査では、大統領の宗教が判らないとした人が44%に達していた。キリスト者、さらにプロテスタントだとする人が34%、カトリックとする人2%だった。
一方、イスラム教徒とする人は11%、無宗教だと思っている人も8%いた。
2008年の大統領選挙の際、オバマ氏が長らく通っていたシカゴ。トリニティ合同教会のジェレミア・ライト牧師が扇動的な発言を繰り返すことが問題視され、オバマ氏は様々な教会の礼拝に出席し、同牧師との距離を置くなど対策に大わらわだった経緯がある。
さらにオバマ氏は、歴代大統領とは異なり、演説でキリスト教に関係する言葉を使い、イメージ作りに努めていたのに、今回の調査は、大統領がキリスト教信仰を告白しても、それを信じていない人が一定の割合を占めていることを裏付けた。
共和党の大統領候補と目されるミット・ロムニー氏は、ほとんど信仰について触れないにもかかわらず、回答者の57%は、彼がモルモン教徒、と正しく認識している。共和党員は、オバマ氏をイスラム教徒だと見なしている人が民主党員の6倍に達しており、キリスト者とする人は逆に半分以下に留まっている。