【CJC=東京】ブルガリアの教会の床下から2年前に発見した人骨を、ブルガリアの考古学者たちが、聖書に登場する洗礼者ヨハネのものと主張していたが、英国とデンマークの考古学チームがそれを裏付けるとも見られる証拠を発見したと、発表した。
この人骨は、ブルガリア東部ブルガス近郊の黒海上の「スベティ・イバン(聖ヨハネ)島」の教会で、ブルガリアの考古学チームが発掘した小型の大理石のひつぎの中から見つかった。
指関節や歯、頭蓋骨の一部と、動物の骨3本が入っていた。ひつぎの傍らには火山灰を固めて作られた小箱があり、古代ギリシャ文字で洗礼者ヨハネの名と生誕日とされる「6月24日」の日付が刻まれていた。
AFP通信によると、このほど英オックスフォード大学が、右指の関節の骨は紀元1年から100年の間のものであることが同大チームの研究で分かったと発表した。この年代は、ヘロデ王の命で斬首されたヨハネが生きていた時代と一致する。
一方、デンマークのコペンハーゲン大学の研究チームは、遺骨をDNA鑑定にかけ、見つかった骨は全て同一人物のものだと突き止めたという。性別は男性の可能性が高く、現在の中東に当たる地域の出身としている。
これらの発見は「洗礼者ヨハネの遺骨」説を確証するものではないが、否定はしていない。
またオックスフォード大研究者が行った歴史資料研究では、5世紀~6世紀初期に同島にある僧院がヨハネの遺物の一部を譲り受けた可能性を示唆している。