【CJC=東京】イエスが十字架に付けられたことは新約聖書に記されているが、その日付をめぐっては、さまざまな説が立てられていた。その最新の研究を『インターナショナル・ジオロジー・レビュー』誌が報じている。
マタイによる福音書27章に記された地震に着目、死海周辺で起きた地震に関係付けたもの。50節から51節に「イエスは再び大声で叫び、息を引き取られた。そのとき、神殿の垂れ幕が上から下まで真っ二つに裂け、地震が起こり、岩が裂け」とある。
「スーパーソニック・ジオフィジカル」のジェファーソン・ウィリアムズ氏らが、死海周辺を調査したところ、紀元前31年と紀元26年から36年の間の計2回大規模地震が発生していることが分かった。それによって十字架による死は、紀元33年4月3日の金曜日の出来事と算出した。
聖書に記された自然現象は比喩的なもので、事実をそのままに伝えるものではない、と科学的な研究はみなしてきたが、ウィリアムズ氏らが、死海周辺を調査、紀元前31年と紀元26年から36年の間の計2回大規模地震が発生していることに注目した。26年から36年は、ポンテオ・ピラト(ポンティウス・ピラトゥス)がローマ帝国のユダヤ総督だった時期に当たるので、地震が発生したことは歴史的に実証される。
地震の他に十字架にまつわる出来事としては暗闇がある。マタイによる福音書27章45節の「昼の十二時に、全地は暗くなり、それが三時まで続いた」と記している。ウイリアムズ氏は、1世紀初頭のエルサレム地区の地震の際に砂嵐が発生した可能性を検討している。