【CJC=東京】イスラエルのエルサレム旧市街の南壁のすぐ外側にある遺跡「ダビデの町」で、「ベツレヘム」という単語がある小さな粘土製の印章が発見された。考古局は5月23日、「聖書で言及されている都市ベツレヘムの存在を具体的に示す証拠を含む初の古代遺物が、このほどエルサレムで発見された」と発表した。AFP通信が報じた。
発見されたのは文書などに封をする際に使われた「ブラ(公文書用印章)」と呼ばれる粘土製の印章の一部。大きさは1・5センチほどで、印章の表面には古代ヘブライ文字で「ベツレヘム」と書かれている。紀元前8世紀後半から紀元前7世紀にかけてのユダ王国の税制の中で、ベツレヘムからエルサレムの王に送られた税務文書に使用されていたものだという。
発掘作業を指揮したエリ・シュクロン氏は、「聖書以外で、第一神殿時代に書かれたものからベツレヘムという名前が見つかったのは初めて。ベツレヘムは確かにユダ王国の都市であったこと、さらにそれ以前の時代から存在していた可能性を示す証拠だ」と述べている。
ヨルダン川西岸にあるベツレヘムは、旧約聖書の創世記で族長ヤコブの妻ラケルが埋葬された地として初めて登場する。新約聖書ではイエス・キリストの生誕地とされている。