【CJC=東京】英国国教会はヨークで開催した主教会で5月21日、女性の主教叙階の制度化を採択、将来の女性主教の権能を明確に薄めようとする提案を否決した。『テレグラフ』紙が報じた。神学上の理由で女性主教に反対している保守的福音派と「アングロ・カトリック」への留保条項にも合意している。
これで理論的には、この7月の同派総会が最終決定を行う準備は整った。とは言え、これで全てが満足する訳ではなく、英国国教会の不安定さが増す可能性もある。主教会の決定が、伝統派のローマ・カトリック教会や分離グループへの大量脱出を引き起こす可能性もないではないからだ。
それは女性主教擁護派も同様で、女性が「二級主教」にさせられるのではないか、と懸念している。
すでに小教区や教区では女性主教を強く支持する態度を固めている所が多数だが、伝統派の優勢な所は、神学的立場から女性主教の権能を受け入れられないのだ。
女性主教を拒否し、特に男性主教の管轄下に入りたいという要求を認めるための複雑な手段も採択された。その代替主教の権能は、女性主教から独立したものではなく、その「代理」と理解され、法的拘束力を持つことになった。
しかし一方で、伝統派の小教区が代替主教に関する発言権が強まれば、女性主教の権能を損なうことにつながり兼ねない、とも見られる。