韓国キリスト教総連合会(韓基総=CCK)の大韓イエス教長老会(合同)で、「三神論、月経胎孕(たいよう)論」を主張したという理由で「異端・神への冒涜」と決議された崔三更牧師について、同牧師の都市産業宣教前歴を報道した韓国クリスチャントゥデイ紙の記者が検察で「嫌疑なし」(証拠不十分)の不起訴処分を受けた。9日付の韓国クリスチャントゥデイ紙が報じた。
同紙記者は昨年12月6日、「崔三更牧師、70年代の都市産業宣教前歴明らかになる」と題した記事で、「本紙(韓国クリスチャントゥデイ紙)に入ってきた情報によると、崔三更牧師の履歴の中に1970年代初中盤、某企業の都市産業宣教に携わっていた事実が記録されていた」「これに伴い、崔牧師がどれほど深く産業宣教に介入したのか、また、当時の思想と宣教方法論をまだ維持しているのかが注目される」と報じた。
都市産業宣教は韓国のキリスト教左派ではかつて主力だった運動で、「産業社会の発展に伴う労働者の権益を保護し、産業社会にキリスト教精神を具体化させる」という名分を持っていたが、実際には共産主義と解放の神学の影響を受けて、社会の福音化のために階級闘争的方法論まで持ち込まなければならないとする過激な活動が支配的だった。このため、「都産(都市産業宣教)が入ると会社が倒産する」とまで言われた。
同紙記者は、同じ記事の中で「実際に崔三更牧師は保守のキリスト教を根幹としている韓基総(CCK)に長く身を置いていながらも、過激で左派的な言動を見せるという批判をしばしば受けてきた。彼は数年前、ある宗教界人士と会った席で、ある愛国集会について言及し、「人共旗(北朝鮮の国旗)を燃やすなら星条旗も一緒に燃やすべきではないか」と発言したことがわかっている。また、宗教界の進歩性向のメディアとも非常に緊密な関係を維持している」とした。 また、崔牧師がアメリカで開催された集会でも、講義の主題とは関係なく、ギム・ジュンゴン牧師、チョ・ヨンギ牧師、ナ・ギョムイル牧師、ハ・ヨンジョ牧師、ユン・ソクジョン牧師など韓国教会を代表する牧師らを非難していたことも指摘した。
崔三更牧師は、この記事を「完全な小説」とし、これを報道した同紙記者を出版物による名誉毀損で告訴した。
ソウル中央地方検察庁は不起訴決定文で、最初に産業宣教について、「上イム・ソンス(韓国クリスチャントゥデイ社長)は、被疑者(韓国クリスチャントゥデイ記者)と一緒に上の氏名不詳の取材源に会い、告訴人(崔三更)の履歴書を提示され、その履歴書には、原告が1970年代初中盤、デソン社、ヨンチョンメリヤス社において、産業宣教をしたことが記載されていたと供述している点、原告は1970年代、ソウル東大門区に所在するチュンニャン川周辺で工場社長の要請を受け、4ヶ所程度を巡回して礼拝引導をした事実があると述べている点、...(中略)...被疑者が作成した記事を見ると、「原告が産業宣教をした」という形の強引な語法ではなく、...(中略)...本記事の内容とそれに対する判断を記載している点などを総合すると、被疑者が虚偽であるとの認識を持ってこの事件の記事を作成したものと見るのは難しい」と判断した。
続いて、星条旗の発言について、「ジョ・テヨン(大韓イエス教長老会(合同福音)総務)から聞いた内容をもとに、この事件の記事を作成したものであるため、被疑者に虚偽の認識があるとは見られない」とした。
最後に検察は、「被疑事実を明らかに認めるほどの資料を見つけることができない」とし、「証拠不十分で、犯罪の嫌疑がない」と結論づけた。
一方、崔三更牧師は、以前同紙記者が「崔三更牧師、『トビウオ式異端認定』波紋」、「崔三更牧師、三神論異端決議、失効せず」、「韓基総異端似非対策委員会、『私組織化』の実態明らかに」、「崔三更牧師、『報復として異端断定』を試みたのか」、「密室共謀による『崔三更式異端づくり』の事実が明らかに」、「『四面楚歌』崔三更牧師、教権利用して議論拡散疑惑」などと題した記事を報道したことについても訴えたが、裁判所は第1審で無罪を宣告した。この裁判は、現在第2審が行われている。