【CJC=東京】4月25日、中国天主教会(カトリック)長沙教区司教にテモテ・ク・アイレン司教が叙階された。バチカン(ローマ教皇庁)の承認を得たものだった。しかし叙階式典には、破門された安徽省蕪湖(ウーフー)のリュー・シンホン司教、その地位が不明確な北京のヨセフ・リ・シャン司教などバチカンからすれば「不法」な司教も参列していた。政府公認の天主教三自愛国会の介入があったと見られる。
愛国会のリウ・ユアンロン副会長も式典に参列、同会と国務院宗教局の承認メッセージを読み上げた。当局者が多数参列した一方、信仰者の参加は少なかった。
教皇べネディクト16世は、聖座(バチカン)の管轄に挑戦している三自愛国会の権威をカトリック者が受け入れることは不可能、と指摘している。
聖座の承認なしの叙階式典に参列した司教は、強制下の行為でない限り、自動的に破門となる。北京のリ・シャン司教は、明らかに違法叙階に参加を強制された。リウ・シンホン司教は自身がバチカンの承認なしに叙階されたことで破門処分となった。
かつて中国で宣教に従事していた、『アジア・ニュース』のベルナルド・セルヴェッレラ神父は、政府の高圧的な介入は「毛沢東主義が中国では今も健在」なことを示していると言う。
共産党は、司教に給料と賞与を提供、「中国政府の下級役人扱い」しており、新しく司教を教皇が選任した場合、共産党は、その司教に「3月19日の南充と今回の長沙の叙階のように、違法・破門司教の存在を認めることを強要する。この2人は良い牧者ではある。しかし叙階に招くべき人を選ぶのは政府なのだ」と語った。