【CJC=東京】カトリック教会から破門扱いされている極右団体「聖ピオ10世会」のバチカン(ローマ教皇庁)との関係改善が現実的になってきた。
同会創設者マルセル・ルフェーブル司教が、バチカンの承認なしに司教4人を叙階したことで、自動的に破門になったが、現教皇が教理省長官だった当時から関係改善が図られていた。
「和解のための前提」が2011年9月、同会に提示され、会側は今年1月検討の結果をバチカンに回答したものの、教理省の検討を経て、ベネディクト16世は不十分と判断した。そして3月になって会側に問題点が示され、詳細な説明を求められていた。
バチカンが発表したコミュニケは、「4月17日、教理省事務所で3月16日に行われた会合での要望に沿った聖ピオ10世会総長ベルナール・フェレイ司教の回答を受け取った。内容は裁判所の検討を経て、聖父(教皇)に判断を求める」と述べている。
双方からの具体的な説明はないが、フェレイ司教の応答は前向きで、分離集団がローマとのコミュニオン(聖餐関係)に戻る途上にあるとする期待は高い、と見られている。