【CJC=東京】バチカン(ローマ教皇庁)が、米国の女子修道者組織は教理的「危機」にあるとして、「米女子修道者指導会議(LCWR)」の改革を指示、実行のためにシアトルのJ・ピーター・サーテン大司教を指導者に任命した。
今回の措置は、バチカン教理省が、女子の会議を多年にわたり教理的に評価した結果出されたもの。全米の1500組織がLCWRに加入している。
評価報告書は、「LCWRの司教協議会との関係と、教会の信仰の中での健全な教理的な基盤を築く必要の双方に大きな重点を置く必要があることは明らかだ」と指摘する。
評価は2008年、教理省の指示により始められ、司教協議会教理委員のレオナード・ブレア司教(オハイオ州トレド教区)が担当した。
評価の中で、近年の指導者会議年次大会での提案に神学的・教理的な重大な誤りがあったことが指摘されている。
宗教者の生活に関する発言の中にはカトリック教会の信仰と相容れないものがあることも判明した。教理からの逸脱を正当化しようとする試みや、教会の権威が果たす役割への軽視もあった。
修道女に関する講演の中には「教会から逸脱」するもの、さらにはイエスから離れたものもあった、と言う。そのような立場は、「信仰否定」や「スキャンダルの原因」ともなるのに、LCWRでは問題にされなかった、と報告書は指摘している。