路上で暮らす世界各国の子どもたちの現状を実感し、その存在を身近に感じてもらおうと、ストリートチルドレンが描いた絵画を紹介する展示会「ストリートの芸術家たち−世界の路上からこんにちは−」が12日、桃山学院大学(大阪府和泉市)のキリスト教センターで開催される。同大学生による国際ボランティアサークル「らぶ&ピース」が主催する。
展示される子どもたちの絵には豊かな自然や家族と遊ぶ風景が描かれており、それは一見、普通の環境に育つ子どもたちの絵と変わりがないように思える。
だが、絵の内容を子どもたち本人に聞いてみると、「路上ではなく、自然がいっぱいある家に住みたい」「お母さん、お父さんと一緒に暮らしたい」と、それが現実ではなく理想の風景であることがわかる。作品には、明るい未来を待ち望む子どもたちの切なる願いが込められている。
展示会では、同サークルのメンバーがこれまでに出会った子どもたちの写真も展示する。撮影したスタッフが実際に目で見、感じた現場の様子を来場者に語り、絵画だけでは伝えきれないストリートチルドレンの生活の実状を伝える。
また、来場者にストリートチルドレンのイメージをより具体的に持ってもらおうと、会場の所々にストリートチルドレンに関する一般的な質問と答えを紹介するコーナーを設置した。
関係者は、「彼らが叶えたい夢、望んでいる生活、欲しているもの。それらは私たちとほとんど変わりません。ただ、そこにたどり着くまでの道のりが近いか、遠いかだと思います」「この子たちの存在を、もっと多くの人に知ってほしいです」と語った。