【CJC=東京】ENIニュースによると、正教会コンスタンチノープルのエキュメニカル総主教座は、トルコ政府に接収されたイスタンブール近郊ヘイベリアーダ島のハルキ修道院返還問題で、政府が隣国ギリシャに居住するイスラム教徒の処遇と関連させようとすることは、受け入れられない、とドシテオス・アナグノストプウロス報道担当が明らかにした。「ハルキ修道院問題は、総主教座、アンカラ(トルコ政府)と欧州連合(EU)の間のことであり、アテネ(ギリシャ政府)は関係ない」と言う。
3月末、トルコのエゲメン・バギス欧州連合担当相が、ハルキ修道院返還は、正教会が支配的なギリシャでイスラム教徒の権利問題が改善されれば、トルコにとって「脅威にならない」と思う、と語っている。日刊紙『ヒュリエト』が報じたもので「イスラム教の兄弟姉妹の問題が、トルコにおける正教徒の問題に加えて、解決されることを望む」と言う。
トルコではイスラム教徒主導のレジェップ・タイップ・エルドアン政権は、2015年までのEU加盟に備えて少数派宗教者の権利改善に取り組んでいるが、キリスト者差別という批判に直面、またキリスト者共同体への攻撃阻止にも失敗している。
2009年4月、バラク・オバマ米大統領は、トルコの国会議員に宛て、1844年に設立され、1971年に国家教育省により接収された神学校の再開を要請しており、これが「テストケース」とされている。3月26日、オバマ大統領は、韓国ソウルで行われた核安全保障サミットで、「宗教的少数派保護」への努力と、「ハルキ神学校再開の決断」についてトルコ首相に歓迎の意向を示した。