【CJC=東京】バチカン(ローマ教皇庁)の宗教間対話評議会が仏教徒に向けて、4月8日の「ウェーサク祭(花祭り)」に際し、「宗教間対話を通じて若者に正義と平和に関して教える責任を分かち合おう」というメッセージを4月3日発表した。
ウェーサク祭はインドの月名のウェーサク月に行われる南方仏教(上座部仏教)の祭典。ブッダ(釈尊)の生誕・成道(悟り)・入滅を合わせて記念する。祝う日は、南アジアでも地域によって異なり、日本では、釈尊の誕生のみを「灌仏会(花祭り)」として8日に祝っている。
メッセージは、同評議会議長のジャン=ルイ・トーラン枢機卿、書記のピエール・ルイジ・チェラータ大司教が署名しており、宗教信仰と他者の実践を尊重、理解する教育の必要を強調している。
「今日、世界中の教室で、異なる宗教を信じる生徒が隣合わせに座り、一緒に、また互いに学ぶことがますます多くなっている。このような多様性は、課題を与えるとともに、若者に次のことを教育する必要性を深く考察するよう促す。すなわち、他の人々の信じ、実践する宗教を尊重し理解すること。自らの信仰理解を深めること。責任ある人間としてともに成長すること。そして、紛争を解決し、友愛、正義、平和、真の人間性の発展を推進するために他の宗教と進んで協力すること」とメッセージは指摘する。
今年のメッセージは、原文の英語の他、イタリア語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、ポルトガル語、日本語、中国語(繁体字、簡体字)、タイ語、ベトナム語、韓国語の訳で発表、英語原文は、機関紙『ロッセルバトレ・ロマノ』に掲載された。