米共和党大統領候補者指名争いで苦戦しているリック・サントラム元上院議員(53)に対し、米キリスト教保守派陣営では今回の大統領選ではなく、2016年以降の大統領選に焦点を当てた活動をするように勧める傾向が見られている。5日、米クリスチャンポスト(CP)が報じた。
米共和党大統領候補者指名争いでは、モルモン教徒の候補者ミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事(65)が3日に行われた中西部ウィスコンシン州、東部メリーランド州およびワシントンD.C.の予備選すべてで勝利を収めた。
南部バプテスト連盟倫理・宗教の自由委員会委員長のリチャード・ランド博士は、サントラム元上院議員の今後に関して「彼と直接このことを話してはいませんが、彼の友人として今回の大統領候補者指名争いは辞退することを勧めたいと思います。彼はまだ若く、2016年以降の大統領選でもまだまだ有望ですから。彼はこの半年間強固な選挙活動を展開してきました。そのおかげで彼が米国の主要な政治家としての存在を大きく形づけることになりました。1860年以降我が国でもっとも重要な大統領選の時を迎えており、我が国の二大政党を代表する二人の人物の信条や政治的ポリシーを吟味するのに時間を要しています」と述べている。
サントラム元上院議員の米共和党大統領候補者指名争いの道は十字路に差し掛かっている。ローマカトリック教徒であるサントラム元上院議員は8日は選挙活動を休み、家族と共に復活祭の礼拝に出席する予定であるという。5日にはキリスト教保守派のグループと会合を行い、自身の政治活動の活性化のための「ヘイル・メアリー」戦略の概観を形作る予定であるという。
米キリスト教保守派助言者の中には、サントラム元上院議員が8月に行われる共和党全国大会前までにロムニー氏を追い抜けるように期待する声も強い。そのような期待を込めるキリスト教保守派助言者のひとりであるゲリー・バウアー氏は「私たち助言者の中では、まだサントラム氏が11月には勝利を治めると信じ続けたい気持ちがあります。それゆえに、私たちは彼が成功するためのあらゆる必要な事柄について助言していきたいと思っています」と述べている。バウアー氏は一方で保守派助言者らは、共和党大統領候補者指名争いの現実の流れを見つめ、いかにしてロムニー氏の大勢に打ち勝つことができるか戦略的に考えていかなければならないことも指摘している。
別のキリスト教保守派指導者は匿名で米CPに対し、自身もランド氏の意向に同意することを伝え、「私たちはこれ以上仲間内で傷つけあうことを避け、オバマ大統領の経済政策の失態に焦点を当てていかなければなりません。これまでずっと我が国の社会問題の数々は直接的に我が国が財政的な力強さを取り戻せるかどうかにかかっていることを訴えてきました。オバマ大統領は発言においても政策においても日に日に失策を露わにしており、私たちはこの4年間のオバマ米大統領の失策に焦点を当てることで(共和党として)回復していく必要があると思います。サントラム氏は尽力されていますが、今はロムニー氏を前面に出していく必要があると思っています」と述べた。