監督兼プロデューサーのトニー・マラノフスキ氏は多くの人々に米国史をより深く理解してもらい、ユダヤ教とキリスト教の価値を高めることを望んで、ドキュメンタリー・ドラマシリーズ「アメリカ:その物語、その人々」の制作と第1作「バンカーヒルの戦い」を発表した。
今春にDVDを公開して活動を始めるマラノフスキ氏と彼のプロダクション会社ライト・ア・キャンドル・フィルムズは今後、ポスターや案内、聖書の討論ガイドを出す予定。作品は1時間のドキュメンタリー・ドラマで、半分は歴史観を描いているという。
「バンカーヒルの戦い」をプロデュースしたマラノフスキ氏は、作品を通して米国の歴史に人々の興味を向けさせることが目的の一つだと米クリスチャンポスト紙に語った。
同氏は、「ある日僕は辺りを見回して、『スタジオで制作されていないものは何だろうか』と考えたんだ。その答えは親米主義の作品だった。新しい作品を通して米国の歴史を再評価してもらうと同時に、この国の基礎となったユダヤ教とキリスト教の価値も高められればと思う」と述べた。
米国独立戦争の初期に主にブリーズヒル付近で戦闘が行われたバンカーヒルの戦いでは、結果的に赤いコートをまとった英国軍が勝利したが、大陸軍も奮闘し英国軍に約1千人の死傷者を出した。
また、その戦いで大陸軍の指揮官ウィリアム・プレスコットが発した「敵の目の白いところが見えるまでは撃つな」という命令は有名で、多くの場所で引用されている。
マラノフスキ氏はクリスチャンポスト紙に対して、独立戦争の端緒となったレキシントン・コンコードの戦いは規模が小さかったため、バンカーヒルの戦いに焦点を当てることにしたと説明。「僕たちは独立戦争の有名な戦いでシリーズを始めたかったんだ。良い作品になったと確信してるよ」と語った。
さらに作品では白人のモーガン一家と黒人のハドソン一家という2組の家族を描いている。ウィリアム・モーガン(マーク・レッドフィールド)とその息子ジェレミア(クリストファー・ハンプソン)はジョシュア・ハドソン(マイケル・マック)と息子のルーク(ブランドン・トンプソン)とともに英国軍と戦う。
バンカーヒルの植民地で起こった異人種間の協力に関してマラノフスキ氏は、13の植民地の一部に実際に存在していたとクリスチャンポスト紙に語った。
同氏は「北方ではこれが明確だったんだ」と、ニューイングランドの港町には商業や海運業を通じて様々な異なる人種のグループが存在していたことに言及。「僕の調べたところでは、バンカーヒルの戦いに参加した大陸軍の民兵の25パーセントは黒人だった」と述べた。
全ての場所でそうだったわけではなく、サウスカロライナなどでは黒人の戦闘参加を拒絶するなど奴隷制度の影響が色濃く残っていた。同氏は、「ジョージ・ワシントン初代米大統領は黒人が戦いに貢献することを認めなかった」と付け加えた。
「バンカーヒルの戦い」の後マラノフスキ氏は、米国の歴史に残る他の戦争についてのエピソードを追求していくとしている。