【CJC=東京】英紙『デイリー・メール』は、英政府がキリスト教信徒の労働者に、就業時間中は信仰の証として十字架を身に付けない指示を図っている、と報じた。労働者側がストラスブールの欧州人権裁判所に救済を訴えたが、政府側はリン・フェザーストン平等相の指示に基づき、救済要請却下を求めている。
政府の措置に対しては、平等相や命令を発した裁判所を非難、キリスト教が排除されつつあることの兆候だと反発する声が、前カンタベリー大主教ケアリー卿始め強まっている。
デービッド・キャメロン政権にとって、同性婚容認をめぐって国教会、カトリック教会と対立したのに続く、教会との抗争。
また平等問題に関しては、「平等・人権委員会」が、就業中の労働者が自身の信仰のシンボルを身に付けることは法律上保護されるべきだとして欧州人権裁判所に提訴しており、政権内のきしみを露呈する形となった。
政府は、十字架を身に付けることは「信仰の必須条件」ではない、という立場だが、ケアリー卿は「皮肉なことに、政府や裁判所がキリスト者に十字架問題は重要なことではない、と言えば言うほど十字架が重要なシンボルとなり、信仰の表明になる」と言う。