女優で歌手のクリスティン・チェノウェスは、ベストセラー『グッド・クリスチャン・ビッチーズ』を原作とした米国ABCの新番組「GCB(グッド・クリスチャン・ベルズ)」が真っ当な番組であり、批評する前に見るべきだと主張している。
今月4日に始まった同番組は公開前から多くの論争を呼んだ。キム・ガトリン原作の番組が糾弾されたのはそのタイトルのためだけではなかった。保守派キリスト教団体のアメリカン・ファミリー・アソシエーションは同番組を「クリスチャン女性の品位を貶めるもの」だとしている。
しかし、主演女優のチェノウェスは、「番組にチャンスを与えるべきだと思うわ。表紙だけで本を判断することはできないものよ」とハリウッド・リポーター誌に語り、「確かに私は信仰を慰みものにするようなことはしなかったわ」と付け加えた。
エミー賞とトニー賞の受賞者で「偏った判断をしないキリスト教自由主義者」を自称する彼女は、米オクラホマ州で生まれ育ち、信仰は南部バプテスト派をルーツとしている。幼い頃から地元の教会でゴスペルソングを歌ってきた彼女は、今日の成功を教会に起因するものと考えている。
チェノウェスは以前、Parade.comのインタビューで、「私は教会でソロのオーディションを受けてそれに受かったの。7歳頃だったと思うわ。『Jesus, I heard You Had a Big House』という曲を歌ったの。観衆は最後に歓声とともに立ち上がって、私は『何て気持ちがいいのかしら』って感じたことを思い出すわ。それが私の全ての始まりなのよ」と語っていた。
20年のキャリアをもつ43歳の彼女は、舞台やテレビ、映画と活躍の場を広げており、「きみはいい人 チャーリー・ブラウン」のサリー役や、「ウィケッド」のグリンダ役などでブロードウェイでも称賛されている。
チェノウェスは昨年、ABCの「GCB」で、美しい女性へと転身していく冴えない女性カーリーン・コックバーン役に抜擢された。
舞台は米テキサス州のダラス。そこにある教会で一緒に歌ってきた女性グループの中に、実家に帰ってきたアマンダ・ヴォーン(レスリー・ビブ)が加わり、新たな問題に遭遇する。
ABCは番組の宣伝を始めた当初、オーストラリアとニュージーランドでは原作通り「グッド・クリスチャン・ビッチーズ」というタイトルで放送することを予定していたが、多くの反発を買ってタイトルの変更を余儀なくされた。
しかし、タイトルの変更にもかかわらず、アメリカン・ファミリー・アソシエーションは同番組を「信仰者たちを嘲笑っている」と非難し続けている。
チェノウェスはハリウッド・リポーター誌に対し、「番組は本当に面白いと思うわ。私は教会の中で成長したことを思い出すの。クリスチャンが完璧だっていうことを言いたいんじゃなくて、私たちは皆、人間なのよね。番組は人間性を描いていて、それを私は気に入っているの。私もその世界で成長してきたから。それは寺院やいろんなコミュニティで構築されるものだけど、私にとってはまさに教会だったのよ」と語った。