【モスクワ=ENI・CJC】第3代ロシア大統領にウラジミル・プーチン氏が選出されたことは、ロシア正教会内部に政教関係についての議論を呼んでいる。
公正選挙を求める運動を支援してきた神学者アンドレイ・デスニツキー氏は、正教会信徒の間に政治への積極参加が強まっていることも影響の一つだ、と言う。
「政治に積極的な正教会信徒が、ついに自身の政治的立場と信仰とをどのように結びつけるか議論を始めるまでになった」と、同氏は、ロシア正教会のニュース解説ウェブサイト「プラブミル」に3月6日書き込んだ。
ロシア中央選挙管理委員会は、3月4日の選挙でプーチン氏の得票率が63・6パーセントだったと発表したが、不正投票があったとの非難が高まっている。
昨年末から1月初めに掛けて、キリル1世総主教は、当局者に世論に耳を傾けるよう求めた。仲介役として名乗り出るのではないか、とも見られたほどだった。しかし、プーチン氏が2月に宗教指導者と会談して以来、キリル1世の批判色は薄まり、公正選挙を求め、抗議していた人たちの反感を買っていた。