【CJC=東京】教皇ベネディクト16世の出席のもと、3月9日、バチカン(ローマ教皇庁)の「レデンプトリス・マーテル」礼拝堂で、教皇庁の高位聖職者を対象とした四旬節の説教会が始まった。バチカン放送(日本語電子版)が報じた。
この説教会は、教皇庁内の四旬節の黙想会に続き、復活祭を前に毎週金曜日、4回行なわれる。説教担当は、教皇付説教師でカプチン・フランシスコ修道会のラニエーロ・カンタラメッサ神父。
教皇庁の説教師の歴史は中世期にまでさかのぼる。教皇ベネディクト14世(1740~58)は、1743年、教皇付説教師の任務をカプチン会に委ね、以来、伝統的に同会会員が四旬節と待降節の説教を受け持ってきた。
今年の四旬節説教会で、カンタラメッサ師は、「あなたがたに神の言葉を語った指導者たちのことを思い出しなさい(ヘブライ13・7)=教会博士、信仰の師」をテーマに、東方教会の教会博士、聖アタナジオ、聖バジリオ、ナジアンズの聖グレゴリオ、ニッサの聖グレゴリオの4人に注目しながら、これらの「信仰の巨人」が現代の教会に投げかけるメッセージを、「キリストの神性」「聖霊」「三位一体」「神の認識」という観点から示していくという。
初回の9日、同神父はアレクサンドリア司教聖アタナジオ(295~373)を取り上げ、「聖アタナジオとキリストの神性における信仰」というテーマで説教を行った。