NBA(ナショナル・バスケットボール・アソシエーション)ニューヨーク・ニックスの台湾系米国人選手ジェレミー・リンは米バスケットボール界に旋風を巻き起こしており、ファンやメディアの間では彼の苗字「リン(Lin)」と「狂気(Insanity)」という単語を組み合わせた造語「リンサニティー(Linsanity)」が流行するなどしている。そんな中、米国の有名アイスクリームブランドのベン&ジェリーズが「リンサニティー風味のアイスクリーム」なるものを発売したが、その中にフォーチュン・クッキー(米国の中華料理店では定番のおみくじ入りのクッキー)を入れたことが論争を呼んだ。
同社は、「一夜にして名声を獲得した23歳(リンの年齢)が認知される中、新しいアイスクリームがハーバード・スクエア店で発売。バニラ・フローズンヨーグルト、ライチ・ハニー、ワッフル・クッキーにスプーンを添えて」と公式に発表した。
ベン&ジェリーズは元々、「リンサニティー風味のアイスクリーム」にフォーチュン・クッキーを入れることで中国、あるいは台湾との関連性を明確にしていた。しかしながら、リンの多くのファンたちはこれに懸念を示し、一部では「人種差別を助長するのではないか」などといった強い反発もあったため、同社は再考を強いられた。
同社のゼネラルマネージャーを務めるライアン・ミドン氏は米ボストン・グローブ紙に対し、「当初からわずかな反動があることは予想していたが、我々は誰からも反感を買うとは思っていなかった。また、実際に大多数のフィードバックは肯定的なものだった」と語っている。
結局、ベン&ジェリーズは新作からフォーチュン・クッキーを取り除くことを決めた。しかし、同社はこの決定は上記の論争とは関係がないと付け加えた。決定の理由は、フォーチュン・クッキーがアイスクリームの中ですぐにふやけてしまうということだった。ミドン氏は、「クッキーがぐちゃぐちゃにふやけてしまったのでカップルが帰ってしまった」と説明している。
ジェレミー・リンを先発出場させたニューヨーク・ニックスは先月、7連勝の快進撃を見せた。