パキスタン内閣唯一のクリスチャン閣僚となったシャハズ・バッティ少数民族関係相が昨年3月2日に殺害されて一年が経過した。
バッティ氏の暗殺について、米CNN通してイスラム急進派組織タリバーン広報担当者が「バッティの暗殺は、すべてのパキスタン冒とく法に反対する者に対するメッセージだ」と伝えていた。
バッティ氏は、パキスタン内閣閣僚として、パキスタンで冒とく法の罪に問われて死刑に直面している女性アシア・ビビさんを救うために、パキスタン国内で施行されている「冒とく法」の改正を要求していた。
バッティ氏は暗殺される前の月に、米CPとのインタビューに応じ、自身がパキスタン冒とく法に関して発している言論のゆえに死の脅威に直面していることを打ち明けていた。バッティ氏は当時、自身がタリバーンの暗殺標的ナンバーワンに指名されていると述べていた。
昨年1月4日までの、タリバーン武装組織の暗殺標的ナンバーワンは、リベラル派のイスラム教徒でパンジャブ州知事のサルマン・タシル氏で、同氏は同日、自らのボディガードによって暗殺されていた。
バッティ氏は昨年2月の米CPとのインタビューを通して「パキスタンの信教の自由、少数派の権利、冒とく法改正についてはっきりと言明しています。そのため、暗殺される可能性はあるでしょう。しかし私は信じるところの原則に従って行動し続けるつもりです。私は私たちのためにそのいのちを捧げてくださったイエス・キリストに従う者ですから、何も恐れはありません。キリストに従う者として、私は声を上げるべき人たちのための言論を発していくことが、私の運命であると思っています」と述べていた。
パキスタン冒とく法は、イスラム教徒が法律を濫用することで、キリスト教徒その他少数派の宗教者を迫害することが可能になることで厳しく批判されていた。パキスタンでは1億8,500万人の人口のうち1.5パーセントがキリスト教徒となっている。