北朝鮮は米国から26万4千トンの食糧支援を受け取るために、ウラン濃縮活動、核実験、長距離ミサイル発射のプログラムを一時凍結することで合意したことを2月29日、米国務省が発表した。
先週米国と北朝鮮の外交官が中国北京で会合を行い、北朝鮮の核開発プログラム一時凍結に関する合意が決定されたという。北朝鮮がウラン濃縮を一時凍結したことで、故金正日総書記の後継者となった金正恩氏が、これまでの政権とは異なる方向性を取る可能性が期待されるようになっている。
今回の決断は、金正恩氏が指導者となってから初の外交政策に関する大きな決断となった。クリントン米国務長官は、「今回の交渉は北朝鮮とその他世界各国が長期的に核兵器プログラム撤廃をもって関係性を修復していく最初の一歩となった」と米上院委員会に報告している。
米国務省広報官ビクトリア・ヌランド氏は、「非核化への道を辿って行くことを示すことで、外交関係を改善するために、北朝鮮は寧辺核施設でのウラン濃縮活動や核実験、長距離ミサイル発射を一時的に停止することに合意した」と伝えている。
北朝鮮は長年にわたってききんと貧困問題に直面しており、現在米国からの26万4千トンの食糧支援受け入れを待っている状態であるという。
一方米国では、北朝鮮へ送る食糧支援が、北朝鮮軍経由ではなく、直接民間人に行きわたるようにすることを要請しているという。北朝鮮は国際原子力機関(IAEA)による寧辺核施設の視察も許可する見込みであるという。
米オバマ大統領は2014年末までに世界中の核兵器開発現場を閉鎖するイニシアチブを掲げており、近日韓国で同イニシアチブの進展状況を審議する会合に参加する予定であるという。