第54回グラミー賞では、英国の人気シンガーソングライターのアデルがあらゆる分野の賞を総なめにしたことが話題となったが、一際多くのクリスチャンの目を引いたのは、人気ラッパーのニッキー・ミナージュの特異なパフォーマンスだった。
ミナージュが披露した新曲「Roman Holiday」は、宗教的な象徴に満ちたものだった。彼女は火や空中浮遊、悪魔祓い、聖職者を表現した演出を行い、ローマ教皇の格好をした男性を登場させるなどした。
全てが彼女のパフォーマンスのせいとは断定できないが、ファンもそうでない人たちも同じように当惑し、席を立った。インターネット上では混乱や怒り、また笑いなど様々な感情がそれぞれのブログなどに書き連ねられた。
米国カトリック連盟のビル・ドナヒュー氏はミナージュについて、「これは偶然に起こった出来事ではない。全てはグラミー賞の主催側によって承認されていた。ミナージュが支持されるかどうかは賛否が分かれるだろうが、非難されるべきは主催側の無責任さだ。彼らはこれまでユダヤ教やイスラム教を侮辱することは許さなかったのだから」とコメントした。
ミナージュは宗教界の怒りを買う最初のポップスターではない。非常に多くのポップスターたちはなぜ他の宗教ではなく、キリスト教ばかりを槍玉に挙げ、品位を貶めようとするのか。クリスチャンたちは疑問に感じている。
最近の論争は、リック・ロスの「Holy Ghost」のリリースとともに起こった。その曲は聖書を歪曲しており、ロスを罪の中に導くもの、神の御霊を汚していると非難されている。
今や世界的人気歌手となったレディー・ガガも、イスカリオテのユダをテーマにした曲を含むキリスト教へのおびただしい侮辱行為とともに、ミュージックビデオの中で修道女の衣装をまとうなどしたことで、反感を買った。
キリスト教への当て付けのように見える度重なる出来事。それらは単に無知からくるものなのか、それとも礼儀を知らないことによるものなのか、あるいは全く別の理由が存在するのだろうか。