米国最大のスポーツイベントであるスーパーボウルのテレビ中継のCM枠には、印象的なキャラクターを起用したM&M’sや、80年代の映画「フェリスはある朝突然に」のパロディを採用したホンダのCMなど、記憶に残るものが多数詰め込まれた。そして今年のCMには何匹かの犬も出演していた。
USAトゥデイ紙はフェイスブックと連携して、スーパーボウルの中継で流れたCMを「Loved It」から「Fumble」まで5段階で評価する人気投票を行った。同紙の記事によると、同投票では犬が出演したCMに注目が集まったという。
ドリトスのCMにはグレート・デーン(犬種)が、バッドライトビールのCMにはウィーゴという犬がそれぞれ出演。また、スニーカーメーカーのスケッチャーズのCMにはグレイハウンドの群れに勝ったフレンチブルドッグのミスター・クイグリーがスケッチャーズの靴を履いて出演しており、さらにフォルクスワーゲンのCMは太り過ぎの犬が同社の車を追えるように訓練を受けたところ痩せられたという内容だった。
「可愛い」という要素では、赤ん坊が出演したCMが人気を得た。ドリトスの別のCMでは祖母がパチンコのような紐に乗って揺られる赤ん坊を飛ばし、赤ん坊をからかう幼児からドリトスの袋を奪うというものがあった。金融機関のイー・トレードもCMに赤ん坊を起用していた。
一方で、例年のことだがCMの中には製品を売るために性的な魅力に依存した内容のものもあった。
独特のCMで知られるGoDaddy.comは、裸の女性モデルの肌にボディーペイントを施している女性スポークスマン(ダニカ・パトリックとジリアン・マイケルズ)という設定のCMでウェブサイトへのアクセスを促進していた。
トヨタ・カムリのCMにはストリングビキニ姿の女性とボクサーパンツ姿の男性が登場した。また、花の宅配事業を展開するテレフローラのCMはバレンタイン・デーに男性が花を贈れば女性たちは「受け取るだろう」と暗示した内容のものだった。
真面目なCMの一つはクライスラーが制作した。それは俳優のクリント・イーストウッドによる印象的なスピーチを通して、厳しい経済状況の最中にある米国人の精神に訴え掛けるというものだ。
「この国は一発でノックアウトされはしない。私たちは再び正しいところに戻ってくる。その時、世界は私たちのエンジン音を聞くだろう」とCMの中でイーストウッドは演説した。「そう。米国は今ハーフタイムなんだ。私たちの後半戦が始まる」