1月24日から28日までレバノンキリキア管区アルメニア正教会で開催された「アラブ世界でのキリスト教徒の存在とその証し」に関するキリスト教とイスラム教双方の指導者らによる会議が開催された。同会議はWCC中東教会および異宗教間対話協力プログラムと中東教会協議会(MECC)によって開催された。
同会議において、昨年のアラブ諸国の変遷において若い世代の人々が重要な役割を担っていたことが改めて確認された。同会議には多数の宗教指導者、学者その他若手の社会活動家などが参加した。
それぞれ多様な背景を抱える参加者らは、共にアラブ諸国の政治的安定、宗教の自由、人権の尊厳、すべての人々にとって社会的経済的正義がまかり通る社会となることに対する共通の願いを持って会議に臨んだ。
アラブ諸国において長年の課題となっているすべての人々に対する平等な権利の付与が必要であること、特に政治と市民権、宗教組織の関係について、議論がなされた。
最近になってアラブ諸国の多様な国々で平和を脅かす問題が改めて強調される一方、希望の兆しも見えていることが指摘された。
今回の会議においては、アラブ諸国の一部の国々において、キリスト教徒とイスラム教徒がともに、将来の見通しが立たないことに不安を感じながら生活していることが確認された。一方で、神の民として、宗教そのものがアラブ諸国が変革するための一部として進んで貢献していくことが重要であることが指摘された。
「宗教指導者らが預言的な役割を担い、人々にビジョンと知恵を与え導いていく必要があります」との声も聞かれ、会議では多数の提言がなされた。
同会議はアラブ諸国におけるキリスト教徒の存在について超教派で行わる今年12月に開催されるWCCとMECCによる会議を準備するための一連の準備会議の一環として開催された。