【CJC=東京】米国で神学的には保守の立場のキリスト教指導者が、動物の権利擁護者と提携して闘鶏反対に乗り出した。雄鶏が死ぬまで戦うのを見物したり、賭けの対象にするのは、聖書の示す価値に反するという。ENI通信が報じた。
南部バプテスト連盟倫理・宗教の自由委員会は1月24日発表した声明の中でリチャード・ランド委員長が「キリスト者は、神がつくられたものに対する不快な虐待というこの野蛮な行為を阻止するために立ち上がらなければならない」と指摘している。
問題とされた闘鶏はサウスカロライナ州で行われているもの。闘鶏は全米50州で違法とされるものの、サウスカロライナ州など11州では軽犯罪扱い。
米動物愛護協会は闘鶏を、「軽犯罪の最高の罰金を払ってでも勝てば儲かるというカネ目当ての犯罪」として、この「血のスポーツ」と呼ばれる闘鶏への規制を強めるため、サウスカロライナ州のキリスト教支援団体「パルメット家庭会議」などと協力している。
同会議のオラン・スミス会長は、サウスカロライナ州が闘鶏を見物し、勝敗に賭けたい人たちをますます引き付けている、として「州の威信の問題として、法規制を強化しなければならない」と言う。
パルメット家庭会議は闘鶏反対のビデオを作成した。神は人間と契約を立てると共に地のすべての獣と契約を立てる、と記された創世記9章9節から10節を引用して、ビデオは闘鶏が聖書に全く反している、と主張するもの。
ビデオの中で、ランド委員長は、人類が「生きるもの全てを尊敬するよう求められている。闘鶏は暴力のポルノだ。観戦する人はそれによって冒されるのだ」として、「宗教指導者は、19世紀に人道運動で重要な役割を果たした。21世紀の今日、他の被造物に対する厳粛な責任がわたしたちにあることを想起させる」と述べている。