イラン裁判所は9日、米国のイラン人移民の家庭に生まれ、イランの市民権を持つアミル・ミルザイ・ヘクマティ被告(28)に対しスパイ罪で死刑を求刑した。ヘクマティ被告はイラン国内の祖父母宅に訪問していた際に、当局によって拘束されていた。9日、米クリスチャンポスト(CP)が報じた。
イラン政府は、ヘクマティ被告が具体的にいつどこで拘束されたか明らかにしていないが、情報筋によると同被告は昨年夏ごろから拘束されていたという。イランのファルス通信は「ヘクマティ被告は米中央情報局(CIA)のメンバーであり、敵国政府と協力し、イランをテロリズムを推進する国であると告発しようとしていた。そのためテヘラン裁判所で死刑が求刑された」と伝えている。
イランの法律によって、ヘクマティ被告は今後20日間控訴する期間が与えられている。ヘクマティ被告の家族は米アリゾナ州生まれの元米海軍に所属していたヘクマティ被告へのイラン人弁護士を来ようしようと奮闘していた。ヘクマティ被告の家族はAP通信に対し、「裁判の過程は不透明なもので、公正なものとはいえません」と不満を伝え、衝撃を受けた気持ちを隠せないでいるという。
イラン政府はヘクマティ被告がCIAのメンバーであることを昨年12月17日に報じていた。ファルス通信は「ヘクマティ被告は『イランの情報システムを遮断する任務を受けていたが、イランを攻撃しようという意図はなかった』と述べている」と伝えている。
ヘクマティ被告はイランと米国の両方の市民権を所持しており、米国務省はヘクマティ被告の解放およびヘクマティ被告にスイス人外交官と接触を持たせるように要求している。
国際原子力機関(IAEA)は9日、イランが地下核施設でのウラン濃縮作業を開始させたことを確認しており、米政府はイランが核兵器製造を行おうとしているとして警戒しており、二国間の緊張関係が高まっている。