【CJC=東京】イスラエル考古局は12月25日、エルサレム旧市街の「神殿の丘」の西壁(嘆きの壁)付近で2000年前のものと見られる粘土の封印を発掘したと発表した。紀元前1世紀からエルサレムの第二神殿が破壊された紀元70年までのものと見られる。
封印は粘土で作られたボタン状のもので、アラム語で「神に穢れのない」と記されており、いけにえをささげる際に食物や動物が律法の定めに適合していることを示すために用いられたと見られる。考古局は、封印が捧げ物の純潔を示す行為を実証したもので、古代の文書に記されている神殿での儀式活動を考古学的に裏付けるもの、としている。
現場付近はユダヤ人にとっては「神殿の丘」とされているが、イスラム教徒にとってもアルアクサ・モスクや「岩のドーム」などがあり、スンニ派にとっては第三の聖地。またキリスト者にとっても近くに聖墳墓教会があり旧市街は聖地とされている。
旧市街は現在イスラエルの実効支配にある。イスラエルは「エルサレムは入植地ではない。我々の首都だ」との見解から旧市街統合を目指し、ユダヤ人入植を進めており、発掘がユダヤ人入植者と関係のあるグループの資金援助によって行われていることから反発を呼びそうだ。